Null(ヌル)=そこに値がなにもないこと。何ら意味を持つ文字ではないことを示す特殊な文字。ここは"0"ですらない半端なものばかり。
Posted by ino(いの) - 2008.08.04,Mon
いつもは強要されても絶対に着ない礼服を、久しぶりに着た。
いつもは貯めに貯める大統領としての仕事も、徹夜してこれから一週間のあいだの分終わらせてきた。
だから、そのことについては誰にも文句は言わせないぜ。
今日は、とことんあいつの晴れの日に付き合うと決めたんだ。
邪魔してみろ、俺のマシンガンの標的にしてやる。
そうだ、今日は大事な日なんだ。
俺にとっても、あいつにとっても。
Seed司令官、スコール・レオンハート。
魔女リノアの騎士、スコール。
そして、俺の大事なひとり息子のスコール。
今まで、ずっとほったらかしにしてしまったんだ。
いまさら親父ぶっても、チャンチャラお門違いかもしれねえさ。
でも俺はこいつに幸せになってもらいたい。
世界で一番幸せになってもらいたいよ。
別に、なさけねえ親父だと言われてもいいさ。
レインを見殺しにしたと、責められてもいい。
それでも、俺はお前の親父でありたい。
お前の幸せを願いたい。
なあ、それは、おかしいことか?
なあ、それでもいいだろ?
「う~~~~~~~、またつった…」
さっきから何度足つったんだろう。
俺はいつでも緊張すると足をつってしまう。
最後に足をつったのはいつのことだったかな?
覚えてねえや。そんな前のこと。
「……さっきから、何ひとりで緊張してるんだ。あんたは」
今のところ、俺とスコールの二人だけの部屋で、そっけない声が俺に投げかけられる。
俺の息子。
俺には、もったいないくらいよく出来た息子。
世間一般では、親が子を紹介するとき『不肖の子』とか言って紹介するだろうけど、うちの場合『不肖の親父』って自分で言っちゃいそうなくらいスコールは良く出来た奴だよ。
さすがはレインの息子だけはあるよな。
「しょうがねえじゃんよ。こんな事、めったにねぇんだからよ」
「だからって、何であんたが緊張してるんだ?」
「そりゃ、結婚式で緊張しない奴はいないだろ?」
「…何で、俺の結婚で、あんたが緊張するんだよ…」
確かにそうだわな。
「いや~、俺って結婚式したことねえだろ。なんか自分のことのようでさぁ」
上手くごまかせたか?
別にそんなことで緊張しているわけじゃない。
俺はそんなことで緊張するほど柔な神経持ってないからな。
本当は、嬉しくて仕方がねえんだよ。
お前が少しでも幸せになってくれようとしてるということがさ。
感謝しなきゃいけねえよ。
あいつを、俺以上に幸せにすることができる女の子、リノアちゃんに。
あいつをここまで育ててくれたクレーマー夫妻に。
「…あんた、何でそう俺にかまいたがるんだ?」
「親が、子供のことかまいたがって何が悪い」
「……もう親にかまってもらう必要のある年じゃない」
「そんなこと言うなよ。せっかく会えた親子なんだぜ。そりゃあ、いまさらと言われても仕方ねえけど、できるだけのことはしたやりてぇよ」
ついつい力説してしまう。
今まで出来なかった分、何かしてやりたい。
多分それができるのは、これまでも、これからも、きっと今だけだろう。
「今日ぐらい、親父らしいことさせてくれよ。なっ?」
嗚呼、俺ってほんと情けない親父だよな。
自分で自分に嫌気がさすぜ…。
「……今までにも親父らしいことしていただろ…」
返ってきたスコールの言葉は、俺の予想を覆していた。
「なんだかんだ言っても、あんたは俺の父親だろ。それを否定するつもりはないさ」
嬉しいこと言ってくれるじゃねえか。
お父さん、涙出ちゃうよ…。
「な、何でそこで泣くんだ!?」
俺の変化にスコールは慌てる。
「嬉しいんだよ。文句あっか!?」
ようやく出た言葉は、それだけだった。
もっと他に気の効いた言葉が出て来ると思ったが、出てこない。
その代わりに、涙が溢れる。
「嬉しいんだよ。嬉しいんだ…。お前の親でいられる事が、嬉しいんだ…」
感謝するよ、レイン。
こんないい息子を俺に残してくれたことを。
俺に喜びを残してくれたことを。
なあ、レイン。
俺は、エルとスコールの親父だ。
俺は、いい親父になるぞ。
俺は、いいおじいちゃんになるぞ。
これからでも、遅くはないよな。
「スコール、もうすぐ時間だよ~。そろそろ行けるかい?」
部屋にテンガロンハットをかぶった背の高い青年が入ってくる。
「アーヴァイン。こんな日にまで、それかぶることないだろ」
かみの短いがっしりとした青年も一緒に入ってくる。
「うるさいなあ、ゼル。本番ではかぶらないって、今だけだよ~。余計なおせっかいだよ、まったく」
「何だと~~っ!!」
「お前ら、うるさいぞ…」
2人が言い合いになった所をスコールが止める。
「あら、孫にも衣装ね、スコール。とってもよく似合っているわよ」
エルオーネがキロスとウォードを従えて部屋に入ってきた。
「………………」
「ウォード君は『お父さんに似なくて良かったね』と、言っているよ」
「そりゃねえよ、キロス、ウォード」
まあいいか。今日のところは許しておいてやる。
「そろそろ行かないとね。新郎さん」
エルの言葉に、スコールは無言で頷いた。
お姉ちゃんだな~、やっぱりこういうときは。
「それじゃ、行こうか?セフィから聞いたんだけどさ、リノア可愛いらしいよ~。スコールが惚れ直すかもよってさ~」
アーヴァインの一言で、部屋にいたものは一同に動き出す。
式の会場へ…。
「…ラグナ…、あんたに礼を言うべきなんだろうな。俺は」
部屋を出る直前、スコールはラグナにささやいた。
あまり他の者に聞かれたくはないらしい。
「俺の親父でいてくれて、ありがとう…。あんたが俺の親父でいてくれてよかった」
思わず耳を疑ったじゃねえか。
「………俺の親父でいてくれて、ありがとう」
同じ言葉を、もう一度繰り返す。
そっけない感謝の言葉。
でも、思いのこもった意味の深い言葉。
「ああ、俺も…。お前も、俺の息子でいてくれてありがとうな」
照れ隠しに、ぽんと息子の肩を叩いた。
「さあ、お前を一番幸せにしてくれる女の子を迎えにいかなくちゃな」
「…ああ」
さあ、行こう。
幸せの道を。
ずっと続いてゆく幸せの道を。
さあ、行こう。
新しい人生を。
信頼し、ともに生きてゆける道を。
「俺の娘になってくれる、女の子だもんな。大事にしろよ~」
「あんたに言われるまでもないさ」
そうだ、スコール。
そうやって、新しい一歩を踏み出していくんだ。
そして、世界で一番幸せになれ。
神聖な場所。
誓約の場所。
長く続く赤い絨毯の上を、彼女は歩いてくる。
大切にしよう、この誓いを。
世界で一番、愛しい女性に永遠を誓おう。
世界で一番幸せな『魔女』と『魔女の騎士』になろう。
ともに、生きていこう。
世界で一番幸せな『親』だよな、俺たちは…。
なあ、カーウェイ。
ああ、そうだな。
幸せな『親』だ、私たちは…。
感謝しよう…。
ジュリアに。
レインに。
感謝しよう。
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一応『ありがとう』のスコールサイド(ラグナサイド?)です。
何を書きたいのか、いまいち分からなくなってしまいました…。
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