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Null(ヌル)=そこに値がなにもないこと。何ら意味を持つ文字ではないことを示す特殊な文字。ここは"0"ですらない半端なものばかり。
Posted by - 2025.08.31,Sun
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Posted by ino(いの) - 2008.08.04,Mon
 



いつもは強要されても絶対に着ない礼服を、久しぶりに着た。



いつもは貯めに貯める大統領としての仕事も、徹夜してこれから一週間のあいだの分終わらせてきた。

だから、そのことについては誰にも文句は言わせないぜ。



今日は、とことんあいつの晴れの日に付き合うと決めたんだ。



邪魔してみろ、俺のマシンガンの標的にしてやる。



そうだ、今日は大事な日なんだ。

俺にとっても、あいつにとっても。



Seed司令官、スコール・レオンハート。

魔女リノアの騎士、スコール。

そして、俺の大事なひとり息子のスコール。





今まで、ずっとほったらかしにしてしまったんだ。

いまさら親父ぶっても、チャンチャラお門違いかもしれねえさ。

でも俺はこいつに幸せになってもらいたい。

世界で一番幸せになってもらいたいよ。

別に、なさけねえ親父だと言われてもいいさ。

レインを見殺しにしたと、責められてもいい。

それでも、俺はお前の親父でありたい。

お前の幸せを願いたい。





なあ、それは、おかしいことか?



なあ、それでもいいだろ?











「う~~~~~~~、またつった…」



さっきから何度足つったんだろう。

俺はいつでも緊張すると足をつってしまう。

最後に足をつったのはいつのことだったかな?

覚えてねえや。そんな前のこと。



「……さっきから、何ひとりで緊張してるんだ。あんたは」



今のところ、俺とスコールの二人だけの部屋で、そっけない声が俺に投げかけられる。



俺の息子。

俺には、もったいないくらいよく出来た息子。

世間一般では、親が子を紹介するとき『不肖の子』とか言って紹介するだろうけど、うちの場合『不肖の親父』って自分で言っちゃいそうなくらいスコールは良く出来た奴だよ。

さすがはレインの息子だけはあるよな。



「しょうがねえじゃんよ。こんな事、めったにねぇんだからよ」

「だからって、何であんたが緊張してるんだ?」

「そりゃ、結婚式で緊張しない奴はいないだろ?」

「…何で、俺の結婚で、あんたが緊張するんだよ…」



確かにそうだわな。



「いや~、俺って結婚式したことねえだろ。なんか自分のことのようでさぁ」



上手くごまかせたか?

別にそんなことで緊張しているわけじゃない。

俺はそんなことで緊張するほど柔な神経持ってないからな。



本当は、嬉しくて仕方がねえんだよ。

お前が少しでも幸せになってくれようとしてるということがさ。



感謝しなきゃいけねえよ。

あいつを、俺以上に幸せにすることができる女の子、リノアちゃんに。

あいつをここまで育ててくれたクレーマー夫妻に。







「…あんた、何でそう俺にかまいたがるんだ?」

「親が、子供のことかまいたがって何が悪い」

「……もう親にかまってもらう必要のある年じゃない」

「そんなこと言うなよ。せっかく会えた親子なんだぜ。そりゃあ、いまさらと言われても仕方ねえけど、できるだけのことはしたやりてぇよ」



ついつい力説してしまう。

今まで出来なかった分、何かしてやりたい。

多分それができるのは、これまでも、これからも、きっと今だけだろう。



「今日ぐらい、親父らしいことさせてくれよ。なっ?」



嗚呼、俺ってほんと情けない親父だよな。

自分で自分に嫌気がさすぜ…。



「……今までにも親父らしいことしていただろ…」



返ってきたスコールの言葉は、俺の予想を覆していた。



「なんだかんだ言っても、あんたは俺の父親だろ。それを否定するつもりはないさ」



嬉しいこと言ってくれるじゃねえか。

お父さん、涙出ちゃうよ…。



「な、何でそこで泣くんだ!?」



俺の変化にスコールは慌てる。



「嬉しいんだよ。文句あっか!?」



ようやく出た言葉は、それだけだった。

もっと他に気の効いた言葉が出て来ると思ったが、出てこない。

その代わりに、涙が溢れる。



「嬉しいんだよ。嬉しいんだ…。お前の親でいられる事が、嬉しいんだ…」



感謝するよ、レイン。

こんないい息子を俺に残してくれたことを。

俺に喜びを残してくれたことを。



なあ、レイン。

俺は、エルとスコールの親父だ。

俺は、いい親父になるぞ。

俺は、いいおじいちゃんになるぞ。

これからでも、遅くはないよな。







「スコール、もうすぐ時間だよ~。そろそろ行けるかい?」



部屋にテンガロンハットをかぶった背の高い青年が入ってくる。



「アーヴァイン。こんな日にまで、それかぶることないだろ」



かみの短いがっしりとした青年も一緒に入ってくる。



「うるさいなあ、ゼル。本番ではかぶらないって、今だけだよ~。余計なおせっかいだよ、まったく」

「何だと~~っ!!」

「お前ら、うるさいぞ…」



2人が言い合いになった所をスコールが止める。



「あら、孫にも衣装ね、スコール。とってもよく似合っているわよ」



エルオーネがキロスとウォードを従えて部屋に入ってきた。



「………………」

「ウォード君は『お父さんに似なくて良かったね』と、言っているよ」

「そりゃねえよ、キロス、ウォード」



まあいいか。今日のところは許しておいてやる。



「そろそろ行かないとね。新郎さん」



エルの言葉に、スコールは無言で頷いた。

お姉ちゃんだな~、やっぱりこういうときは。



「それじゃ、行こうか?セフィから聞いたんだけどさ、リノア可愛いらしいよ~。スコールが惚れ直すかもよってさ~」



アーヴァインの一言で、部屋にいたものは一同に動き出す。

式の会場へ…。



「…ラグナ…、あんたに礼を言うべきなんだろうな。俺は」



部屋を出る直前、スコールはラグナにささやいた。

あまり他の者に聞かれたくはないらしい。



「俺の親父でいてくれて、ありがとう…。あんたが俺の親父でいてくれてよかった」



思わず耳を疑ったじゃねえか。



「………俺の親父でいてくれて、ありがとう」



同じ言葉を、もう一度繰り返す。

そっけない感謝の言葉。

でも、思いのこもった意味の深い言葉。



「ああ、俺も…。お前も、俺の息子でいてくれてありがとうな」



照れ隠しに、ぽんと息子の肩を叩いた。



「さあ、お前を一番幸せにしてくれる女の子を迎えにいかなくちゃな」

「…ああ」



さあ、行こう。

幸せの道を。

ずっと続いてゆく幸せの道を。



さあ、行こう。

新しい人生を。

信頼し、ともに生きてゆける道を。



「俺の娘になってくれる、女の子だもんな。大事にしろよ~」

「あんたに言われるまでもないさ」



そうだ、スコール。

そうやって、新しい一歩を踏み出していくんだ。

そして、世界で一番幸せになれ。









神聖な場所。

誓約の場所。

長く続く赤い絨毯の上を、彼女は歩いてくる。

大切にしよう、この誓いを。

世界で一番、愛しい女性に永遠を誓おう。

世界で一番幸せな『魔女』と『魔女の騎士』になろう。

ともに、生きていこう。







世界で一番幸せな『親』だよな、俺たちは…。

なあ、カーウェイ。



ああ、そうだな。

幸せな『親』だ、私たちは…。



感謝しよう…。



ジュリアに。

レインに。



感謝しよう。


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一応『ありがとう』のスコールサイド(ラグナサイド?)です。
何を書きたいのか、いまいち分からなくなってしまいました…。
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