Null(ヌル)=そこに値がなにもないこと。何ら意味を持つ文字ではないことを示す特殊な文字。ここは"0"ですらない半端なものばかり。
Posted by ino(いの) - 2008.08.04,Mon
カーテンの隙間から、陽の光が差し込んでいる。
光からして、もう陽は高いということに気が付いた。
いつもなら、もう目を覚まして、仕事を始めているであろう時間帯。
しかし、今日はその必要がない。
久しぶりの休暇。
日ごろのオーバーワークを労って自分で自分を誉めてやる。
ベッドの中でゴロゴロと。
今日は、格別予定は入ってないから、気の済むまで寝ていられる。
外から、子供たちが走り回り、はしゃぐ声が聞こえてくる。
隣の部屋からは、掃除機の音。
「やっほー!」
そして、この部屋に入ってくる、明るい声。
「なーんだぁ。まーだ、寝てるのかぁ?珍しく今日はお寝坊さんだね」
あんたが休暇の日に、こんな時間に起きてるのも珍しいよな。
「ねぇ。起きてよ。遊びに行こう!」
ゆさゆさと、ブランケットごと揺さぶられる。
それがうっとうしくて、ブランケットの中にもぐりこんだ。
たまの休みなんだ、もう少し寝かせてくれ……。
「あと、五分……」
「なーに、カップラーメンみたいなこと言ってるのよ。ほら、お外はいい天気だよ、遊びに行こうよ!」
ちっ、ごまかされなかったか…。
しょうがないと、しぶしぶブランケットから顔を出す。
「おハロー、スコール。いい天気だよ」
「ああ、おハロー、リノア。あんたが休みの日にこんな時間に起きてるのは珍しいな」
リノアは、うふふ…と含み笑いを浮かべた。
「今日はいい天気でしょ?スコールもたまの休みじゃない。だ・か・ら、一緒に遊びに行こうよ」
まだ眠たい俺の頭は、なかなか動いてくれない。
どちらかと言うと、すぐにでもまた眠る方向へ行ってしまいそうだ。
「悪い…。今は猛烈に眠い…」
あくびをかみ殺しながら、ブランケットに潜り込もうとしたが、リノアはそれを許してくれなかった。
「だめ、こんないいお天気の日に一日中布団の中ってもったいないよ!お外行こう!」
「寝かせてくれ…」
我ながら情けないとは思うのだが、いかんせんこの陽気。
人間の生理的欲求である睡眠状態のうえに、ダメ押しでスリプルでもかけられたぐらい眠気が強い
「スコール、もう、起きてよぉ」
「意外とリノアも粘るな…」
「スコールもね」
おかしな会話。
「もったいないよ。こんな日に寝てるなんて」
ゆする手を置いて、俺の顔を覗き込むように首をかしげる。
「起きたら、いくらでも付き合ってやるから…」
「だぁーめ!起きるの待ってたら夕方になっちゃう」
まったく……。
いまだ眠い頭に鞭打って、俺はゆっくりと起き上がった。
自然にため息が出る。
「で、どこに行くんだ?」
まだ、頭がふらふらする。
こんなに眠いのは初めてだな。
「どこでもいいよ」
「行きたいところがあるんじゃないのか?」
「ううん、スコールとお出かけしたかっただけ」
……………………。
「やっぱり寝る…」
「だーめ、だってば!」
再び寝る体制になろうとしていたスコールを押しとどめるように、リノアは枕と平行に滑り込んだ。
「…………リノア」
「なぁに?」
「あんた、重くないか?」
「うん、重い」
寝転ぼうとしていたスコールの枕と平行に滑り込んだのだ。
リノアはスコールの下敷き状態だった。
「だって、スコールが起きてくれないんだもん」
「俺のせいか……?」
「そう、スコールのせい」
クスクスとリノアは笑っている。
その振動がスコールにも伝わってくる。
それが、妙に心地よくて…。
外から聞こえてくる音が、また、眠りを誘う。
「なぁ」
「なぁに?」
「もう少し、こうしていていいか?」
「だめ、重たいんだもん、スコールってば」
リノアがスコールの背のしたで身動きする。
スコールはわずかに身を起こし、リノアが抜け出るのを確認した。
ベッドの横で、リノアは両手を腰にあて、ため息をついた。
「しょうがないなぁ、そんなに眠たいの?」
「ああ、スリプルでもかけられたかのように途方もなく、とにかくひたすら眠たい」
スコールには珍しく大げさな表現。
それだけ眠たいということなのかな?
リノアは少しだけ考え込んだ。
そうしている間も、スコールの両の目は閉じている。
そして、リノアの結論も一つに達した。
「んじゃ、わたしも寝る」
「はい?」
スコールの巣頓狂な声。
そんなスコールにお構いなしに、リノアはスコールの横に潜り込んでくる。
「リ、リノア」
「喜べ、スコールが起きるまで、リノアちゃんが横で添い寝してあげましょう」
それはそれで、眠れないような気もするが……。
狭いベッドの上、二人も寝れば自然とくっつかなければ具合が悪い。
「スコール、あったかいねぇ」
スリスリと、スコールの腕にリノアは頬を擦り寄せる。
こういうことだけには切り替えが早いのか、もうリノアはしっかりと睡眠モードだ。
「お休みぃ、スコール」
かわいいあくびを一つ。
リノアはあっという間に眠ってしまった。
「…………なんだよ」
ドッと、疲れが押し寄せたような気分だ。
さっきまで、外へ行こう、遊ぼう、と言っていたのに、今は自分の横で眠ってしまった。
無邪気というか、なにも考えてないというか…。
「ま、いいか…」
こんな日も、また。
そしてスコールも、リノアの到来で妨げられてしまった惰眠を再び味わう事にした。
傍らのリノアを抱きしめて。
春眠、暁を覚えず。
誰が言ったものか、と考えながら。
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スコールの人格が別人なのは気にしないでください。(汗)
単に、小森がねむいだけです。(爆)
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