Null(ヌル)=そこに値がなにもないこと。何ら意味を持つ文字ではないことを示す特殊な文字。ここは"0"ですらない半端なものばかり。
Posted by ino(いの) - 2008.09.17,Wed
幸せは、意外と近くにあるものだ。
(5) チェスの行方
人には、得手不得手というものが、必ずと言っていいほどある。
この人たちも、また同じことが言えただろう。
「……ゼクス、いい加減にやめませんか?」
「何を言う、ノイン。私はまだ一度も勝っていないのだぞ」
「だからと言って……」
休憩時間はいつもチェス勝負。
それがここ最近、2人の日課になっていた。
ただ延々と勝負するだけでは面白みがない。
そして決められたのが、このルール。
「負けた方が、ペナルティなんて……」
「それくらいしないと緊迫感がないじゃないか」
「しかしですね……」
これまでの勝負、ずっとノインが勝ち続けているのだ。
さすがに、もうペナルティのネタも尽きた、とは言えない。
最近では、あまりにも勝敗がはっきりし過ぎているので、その日の勝負数、トータルの勝敗で勝ち負けを決めるようになってしまった。
それでも、ノインの圧勝なのだ。
天は人に2物を与えずとはよく言うが、チェス勝負に関しては、はたして彼女が強すぎるのか、それとも彼が弱すぎるのか……。
「……チェックメイトです」
「ああっ!」
何度目の王手だろう。
モビルスーツを扱わせれば天下一品の彼が、なぜチェスではこんなに弱い?
しかし、手加減などすれば、すぐに気付かれるし、それは彼に対して失礼になる。
タイミングが良いのか、ちょうど休憩時間は終わり。
後は残った仕事を片付け、その後夕食……と予定は埋まっている。
「…………はぁ、今日のところはこれまでか」
いつになったら、この状況から脱出できるのだろう。
「……じゃぁ、今日は、夕食準備のお手伝い、お願いしますね……」
「うむ」
新しいペナルティを考える方も、それなりに苦労なのだが……。
「ノイン、これはこう切ればよいのか?」
「ええ、もう少し大きくてもかまいません」
「わかった」
キッチンスペースで包丁を持ち、人参を乱切りするゼクス。
ゼクスの横では、ノインは玉葱の皮をむいている。
「ノイン、玉葱は私がやろう」
本日のメニューはカレー。
目が痛くなる玉葱の扱いを、女性であるノインにさせまいとするゼクスの心遣い。
「ありがとうございます、ゼクス。でも、大丈夫ですよ」
ポケットから水中眼鏡を出して、ニッと笑ってみせるノイン。
「今日はこれがあります。なかなか、これが楽しいんですよ」
「なるほど、その手があったか」
確かに、見てくれはどうであれ、これなら目は痛くない。
かつての部下たちが、2人のこの姿を見たら、どう思うだろうか?
二人の手によって、カレーは着実に出来上がっていく。
炊飯器はライスが炊けたと告げているし、副菜のサラダもすでに盛り付けられ冷蔵庫で出番を待っている。
味付けもOK。
後は、このルーを程よく弱火で煮込むばかり。
時計を見れば、予定よりも早く作業は終わった。
「あなたのおかげで、予定よりも早く終わりましたよ、ゼクス」
キッチンタイマーをセットしたノインは、エプロンを外していたゼクスに礼を述べた。
「いや、礼を言われるほどの事はしていないのだが……」
本人はそのつもりがなくても、感謝されればそれなりに悪い気はしない。
「じゃぁ、ルーが出来るまで、もう一戦、お相手しましょうか?」
空いた時間は、またチェスに戻っていく。
「うむ、今度は負けんぞ」
「フフフ、毎日そのセリフ聞いてますよ、ゼクス」
チェス勝負も、ペナルティも、無くてかまわない。
愛する人のそばに居ることが出来る。
ノインにはそれで十分だった。
しかし、彼が一勝出来るのは、一体いつのことだろう?
幸せは、意外と近くにあるものだ。
The Following Happiness is followed →
---------------------------------------------------
お次は、 ゼクス&ノイン でした~。
…………短かったな。(汗)
この2人に関しては、すでにTVシリーズから地味にラブッぷりを見せてくれていたということで、書くネタが……。
まぁ、地味にラブッぷりと言えば、Wはそんなキャラばっかしだけど……(個人的偏見)
人には、得手不得手というものが、必ずと言っていいほどある。
この人たちも、また同じことが言えただろう。
「……ゼクス、いい加減にやめませんか?」
「何を言う、ノイン。私はまだ一度も勝っていないのだぞ」
「だからと言って……」
休憩時間はいつもチェス勝負。
それがここ最近、2人の日課になっていた。
ただ延々と勝負するだけでは面白みがない。
そして決められたのが、このルール。
「負けた方が、ペナルティなんて……」
「それくらいしないと緊迫感がないじゃないか」
「しかしですね……」
これまでの勝負、ずっとノインが勝ち続けているのだ。
さすがに、もうペナルティのネタも尽きた、とは言えない。
最近では、あまりにも勝敗がはっきりし過ぎているので、その日の勝負数、トータルの勝敗で勝ち負けを決めるようになってしまった。
それでも、ノインの圧勝なのだ。
天は人に2物を与えずとはよく言うが、チェス勝負に関しては、はたして彼女が強すぎるのか、それとも彼が弱すぎるのか……。
「……チェックメイトです」
「ああっ!」
何度目の王手だろう。
モビルスーツを扱わせれば天下一品の彼が、なぜチェスではこんなに弱い?
しかし、手加減などすれば、すぐに気付かれるし、それは彼に対して失礼になる。
タイミングが良いのか、ちょうど休憩時間は終わり。
後は残った仕事を片付け、その後夕食……と予定は埋まっている。
「…………はぁ、今日のところはこれまでか」
いつになったら、この状況から脱出できるのだろう。
「……じゃぁ、今日は、夕食準備のお手伝い、お願いしますね……」
「うむ」
新しいペナルティを考える方も、それなりに苦労なのだが……。
「ノイン、これはこう切ればよいのか?」
「ええ、もう少し大きくてもかまいません」
「わかった」
キッチンスペースで包丁を持ち、人参を乱切りするゼクス。
ゼクスの横では、ノインは玉葱の皮をむいている。
「ノイン、玉葱は私がやろう」
本日のメニューはカレー。
目が痛くなる玉葱の扱いを、女性であるノインにさせまいとするゼクスの心遣い。
「ありがとうございます、ゼクス。でも、大丈夫ですよ」
ポケットから水中眼鏡を出して、ニッと笑ってみせるノイン。
「今日はこれがあります。なかなか、これが楽しいんですよ」
「なるほど、その手があったか」
確かに、見てくれはどうであれ、これなら目は痛くない。
かつての部下たちが、2人のこの姿を見たら、どう思うだろうか?
二人の手によって、カレーは着実に出来上がっていく。
炊飯器はライスが炊けたと告げているし、副菜のサラダもすでに盛り付けられ冷蔵庫で出番を待っている。
味付けもOK。
後は、このルーを程よく弱火で煮込むばかり。
時計を見れば、予定よりも早く作業は終わった。
「あなたのおかげで、予定よりも早く終わりましたよ、ゼクス」
キッチンタイマーをセットしたノインは、エプロンを外していたゼクスに礼を述べた。
「いや、礼を言われるほどの事はしていないのだが……」
本人はそのつもりがなくても、感謝されればそれなりに悪い気はしない。
「じゃぁ、ルーが出来るまで、もう一戦、お相手しましょうか?」
空いた時間は、またチェスに戻っていく。
「うむ、今度は負けんぞ」
「フフフ、毎日そのセリフ聞いてますよ、ゼクス」
チェス勝負も、ペナルティも、無くてかまわない。
愛する人のそばに居ることが出来る。
ノインにはそれで十分だった。
しかし、彼が一勝出来るのは、一体いつのことだろう?
幸せは、意外と近くにあるものだ。
The Following Happiness is followed →
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お次は、 ゼクス&ノイン でした~。
…………短かったな。(汗)
この2人に関しては、すでにTVシリーズから地味にラブッぷりを見せてくれていたということで、書くネタが……。
まぁ、地味にラブッぷりと言えば、Wはそんなキャラばっかしだけど……(個人的偏見)
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